「外部環境はどうなってる?」PESTLE分析~PEST分析ビジネスフレームワーク

ビジネス

 PESTLE分析はビジネスを取り巻く外部環境を6つの側面からマクロな視点で分析するビジネスフレームワークです。それぞれ「Political(政治的)」「Economic(経済的)」「Sociological(社会的)」「Technological(技術的)」「Legal(法的)」「Environmental(環境的)」の6つの外部環境要因の頭文字を取って名付けられました。この分析は、新しいビジネス環境への参入する場合に有効とされ、SWOT分析や5フォースと併せて使用されることが多いです。

 PESTLE分析は、PEST分析(フィリップ・コトラー)を発展させた分析手法です。社会的要因(S)から環境要因(E)が派生し、政治的要因(P)から法的要因(L)が派生しました。これは、この2つの要素が新規事業やビジネス全般において、見過ごすことの出来ない重要な要因となってきたからです。

 企業を取り巻く外部環境は大きく変化しているため、マーケティングや外部環境分析を行うにあたり、従来のPEST分析のみでは不足するため、これら2つの新たな要素が加わりました。

Political Factors (政治的) 

 政治的要因とは、法令や条例等による規制(または緩和)の有無を言います。政治的環境の変化はビジネスへの影響が大です。特に規制が多い業界では、政治の方向転換により、ビジネスモデルが一変することがあります。

 海外では主流のUberですが、日本ではタクシー業界の反発でUberが参入出来なかったと言われています。一方、民泊に関する規制が変わったことで、以前はホテル業では10室以上、旅館業では5室以上の空間が必要という規制が撤廃され、Airbnbで多くのプレーヤー(一般の人でも)が民泊市場に参入出来るようになりました。あるいは、中国ではGmailやLineのサービスが使えない、これらを使ったサービスや広告を打つことが出来ない等があげられます。

Economic Factors(経済的)

 経済的な要因です。景気の上がり下がりや雇用率・失業率、インフレ率、賃金動向や可処分所得などを考慮すると良いようです。非常に流動的な要因なので、常に注視し、対策を練る取る必要があります。

例えば自社のブランドが、若年層に魅力的なスタイルとしてポジショニングを行なっているのであれば、若年層の経済的要因を考慮したうえで価格を決定します。経済的要因を無視して、可処分所得を多く持つ、中高年層向けの価格帯にするべきではありません。

Sociological Factors(社会的)

 社会的要因は、新たな文化の出現や流行の変化、世間を騒がす社会的問題の発生などです。ビジネスモデルが社会的・文化的に受け入れられるかは、新しい市場を切り開く際に特に重要です。現在では、SNSによる流行の把握は見逃すことができず、その移り変わりが激しいといえます。ファッション雑誌で組まれる特集は、すでにインスタグラムで流行っていた・・・というようなことは頻繁に発生しています。社会的要因を検討するうえで、SNSでの流行のチェックは欠かせず、社会的要因がより強くなっているといえます。

 コロナ禍において、社会全体の生活が大きく変化したことも挙げられます。例えば、他人との接触を出来るだけ避け、店内で飲食せずにテイクアウト(to go)を選ぶ人や、UberEats等の宅配サービスを利用する人が増えました。これらのサービスの需要が高まったのは社会的要因からと評価できます。

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