レヴィンのリーダーシップ類型(Lewin’s Leadership Theory)

リーダーシップ

 1939年、アメリカの心理学者クルト・レヴィンが率いる研究グループは、アイオワ大学で行った実験(アイオワ研究)の結果を元に、様々なリーダーシップのスタイルを特定しようと試みました。そのリーダーシップタイプは、専制型・放任型・民主型の3つです。

 レヴィンは、民主型リーダーシップが、作業の質・作業意欲・有効な行動等の点で最も有効である、と結論づけました。以下で一つ一つ見ていきましょう。

専制型リーダーシップ Authoritarian Leadership (Autocratic)

 この専制型リーダーシップは、集団行動の全てにおいて、細部にわたりリーダーが指示・命令・関与するスタイルです。マイクロマネジメントとも言えます。リーダーシップスタイルは、「リーダーによる指揮」と「部下のコントロール」の両方に特徴があり、リーダーは部下の意見をほとんど聞かずに、意思決定を行います。

 このタイプのリーダーシップスタイルは、失敗することが許されない重要なプロジェクトに取り組無む時、意思決定にっける時間がほとんど無い時、リーダーが一番知識が豊富で経験豊かな時、積極性の低いメンバーを率いる場合等に高い効果を発揮します。短期的には成功はしますが、部下は自分の頭で考えて行動しなくなり、部下の自立心を育むことが出来ず、長期的には人材育成に向かないリーダーがシップスタイルと言えます。

民主型リーダーシップ Participative Leadership (Democratic)

 この民主型リーダーシップは、最も効果的なリーダーシップスタイルと言われています。リーダーは部下やメンバーに指示・命令をしますが、同時に部下やメンバーの意見も聞くきます。

 メンバーは、チームやグループの意識決定プロセスに参加していることを感じることが出来るため、やる気と創造性、モチベーションアップが期待出来ます。民主型リーダーは、部下やメンバーに、「自分はチームの重要な一員である」と感じさせる傾向があり、グループ目標へのコミットメントを、促進するのに、本リーダーシップスタイルが役立ちます。責任感や自立心が芽生えやすいため、部下の人材育成にも適しており、中長期的な成果が期待出来ます。

放任型リーダーシップ Leadership (Laissez-Faire)

 放任型リーダーシップは、現場における全ての決断や判断をメンバーに任せるスタイルで、リーダーがチームに関与しません。レヴィンの研究結果では、3 つのリーダーシップスタイルの中で、すべての「最も生産性が低い」ことが明らかになっています。

 研究では子供を3つのグループに分けて調査を行いましたが、このスタイルの場合、実験参加の子供たちは、リーダーに対してより多くのことを要求し、ほとんど協力も示さず、独立して作業することが出来なかったようです。役割の定義も不十分であり、部下やメンバーのモチベーション低下ににつながることがよくあるとのこと。

 ただし、チーム員個々のメンバーが優れた能力を持っている集団であれば、本リーダーシップスタイルは成立することもあります。チベーションが高く、スキルが高く、知識が豊富なチームで効果的です。

まとめ

 この研究は、単一のリーダーシップスタイルが最善でないことを示唆しています。 代わりに、その時々の目の前の状況と、どのタイプのリーダーシップと戦略がその時の状況に適しているかによって、とるべきリーダーシップスタイルが異なります。

 最も効果的なリーダーは、自分のスタイルを状況に適応させ、タスクの種類、チーム、個人、リスクのレベル、環境、その他の可能性のある要因などの手がかりに目を向けることができる人です。また、従業員を最大限に活用するために、必要に応じてスタイル変更が出来る人です。 状況に応じたアプローチの必要性を理解し、柔軟にアプローチすることが必要ですね。

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