Erin meyer(エリン・メイヤー)の『異文化理解力』~外国人と一緒に働く時に気をつけること~

ビジネス

(5)決断(Deciding)

  • 意思決定をする際、どの程度コンセンサスを重要視するかを示します
  • この項目はわかりやすいかと思いますが、「合意思考」か「トップダウン式」かです。
  • 合意思考(Consensual)」な人たち(日本、スウェーデン、オランダ)は、全員の合意を得た上での意思決定が好まれます。日本は、関係各所に合意を得ないと仕事が進まないですよね。
  • トップダウン式(Top-down)」な人たち(ナイジェリア、インド、中国)は、上司やトップの個人が決断をします。ビジネスでは、動きが速いと言われますね。
グローバルビジネス下でのPoint
  • ここでもアメリカやイギリスは、真ん中あたり。トップダウンで物事がどんどん進むという勝手なイメージを持っていましたが、それは異なるのかもしれません。ある程度はトップダウンで、ある程度皆の意見も聞く、といったところでしょうか。
The Culture Map": 8 Scales for Work

(6)信頼(Trusting)

  • 信頼形成の際、「仕事の質(タスクベース)」を信頼するか、「人間関係」を信頼するかを示します。
  • 仕事の質(Task-based)」の人たち(アメリカ、オランダ、デンマーク、ドイツ)は、信頼はビジネスに関連した活動によって築かれます。質の高い良い仕事をしていれば、あたはた頼りがいがあるということであり、相手はあたなとの仕事に満足し信頼します。
  • 人間関係(Relationship-based)」の人たち(中国、インド、タイ、日本)は、信頼は食事をしたり、お酒を飲むことによって築かれます。仕事の関係はゆっくりと長い時間をかけて築くことを重要視し、深いところまで見ようとします。
Trusting - Culture Map, Erin Meyer - Ascenditur.no

(7)見解の相違(Disagreeing)

  • 意見の対立を有益とみなすか、有害とみなすかを示します
  • 対立型(Confrontational)」の人たち(イスラエル、フランス、ドイツ、ロシア)は、見解の相違や議論はチームや組織にとってポジティブなものと考えているため、表だった対立は適切なものであり、ネガティブな影響は与えないとします。
  • 対立回避型(Avoid confrontation)」の人たち(日本、インドネシア、タイ)は、見解の相違や議論はチームや組織にとってネガティブなものと考えているため、グループのハーモニー(調和)が乱れたり、表だった対立は歓迎されません。対立は、互いの関係性にネガティブな影響を与える傾向にあります。
グローバルビジネス下でのPoint
  • 「和を以て貴しとなす」の日本では、この指標は納得感がありますね。しかし、グローバルビジネス下では、対立・議論を行うことを良しとする人たちもいるということを忘れず、時には主張したり、議論することが必要ですね。
  • ここでも、アメリカやイギリスは真ん中あたりです。
Disagreeing - Culture Map, Erin Meyer - Ascenditur.no

(8)スケジューリング(Scheduling)

  • スケジュールを遵守するか、遅延を前提に柔軟に対応するかを示します
  • 「直線的な時間(Linear time)」な人たち(ドイツ、日本、スイス、スウェーデン)は、プロジェクトを連続的なものとして捉え、一つの作業が終わったら次の作業に進みます。締め切りが大事で、スケジュール通りに動くことが求められます。
  • 「柔軟な時間(Flexible time)」な人たち(サウジアラビア、インド、ナイジェリア)は、プロジェクトを流動的なものとして捉え、場当たり的に作業を進めます。締め切りはあまり重要視されず、様々なことが同時に進行、邪魔が入っても受け入れます。大切なことは順応性となります。
グローバルビジネス下でのPoint
  • インド人と仕事を進めるのは難しい(締め切りを守らない)、という声はよく聞こえてきますが、まさしくこれが理由と思われます。是非、このSchedulingの指標を頭に入れておきたいですね。
  • また、ドイツ人は時間をきっちり守るので日本と似ているという声も聞いたりします。指標が示すとおりですね。
Scheduling - Culture Map, Erin Meyer - Ascenditur.no

カルチャーマップのまとめ表

  • 8つの指標すべてを纏めたのが以下の表です。
  • 日本は2つの指標を除いて右側に位置し、その2つの指標も左側に位置しています。大変極端な部類の国、ということが言えるかもしれません。
  • 自分の常識は相手の非常識ということを忘れずに、多様な考え方を受け入れ、理解する姿勢が大事ですね。グローバルビジネス下では、相手の立場や考え方も念頭に入れておくと、ビジネスをスムーズに進められるかもしれませんし、異文化理解の参考にしましょう。

異文化理解力 相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養 [ エリン・メイヤー ]
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